年明けに、バルカン半島の 5 か国(コソボ、北マケドニア、アルバニア、セルビア、ブルガリア)を、7 泊 8 日で周遊してきました。
バルカン半島は、日本語の情報がまだ少ない地域です。国境を越えるバスの時刻や、どの通貨が使えるか、SIM は使えるかなど、行ってみないと分からないことがたくさんありました。この記事では、実際に回ったルートと移動手段、費用、そして各都市の正直な感想をまとめます。
今回の旅の目的の一つは、個人的に最もイメージしにくかった北マケドニアやアルバニアが、それぞれどんな国なのかを知ることでした。
ちなみにバルカン半島の「バルカン」は、トルコ語で「山」を意味する言葉に由来すると言われています。その名のとおり山がちな地形で、都市間の移動はバスで山道を越えることが多くなります。

旅程(7 泊 8 日のモデルコース)
| 日付 | 旅程 | 泊 |
|---|---|---|
| 1/4 | 日本 ⇒ イスタンブール経由 ⇒ 20:15 プリシュティナ(コソボ) | プリシュティナ |
| 1/5 | プリシュティナ観光・グラチャニツァ修道院 ⇒ バスでスコピエ(北マケドニア) | スコピエ |
| 1/6 | スコピエ ⇒ バスでオフリド | オフリド |
| 1/7 | オフリド ⇒ 聖ナウム経由・徒歩で国境越え ⇒ ベラト(アルバニア) | ベラト |
| 1/8 | ベラト ⇒ バスでティラナ ⇒ ティラナ空港 ⇒ エアセルビアでベオグラード(セルビア) | ベオグラード |
| 1/9 | ベオグラード ⇒ エアセルビアでソフィア(ブルガリア) | ソフィア |
| 1/10 | プロヴディフへバスで日帰り | ソフィア |
| 1/11 | リラの修道院とボヤナ教会のツアー ⇒ ソフィア空港からイスタンブールへ | 機中 |
一番のおすすめはソフィア
8 都市を回った中で、おすすめを 1 つ挙げるなら ソフィア です。全く期待していなかったのですが、街中に遺跡や教会が多く、夜景も本当に綺麗で、ひと昔前の映画の中のヨーロッパを見ているようでした。プロヴディフやリラの修道院への拠点としても便利です。
また、私は可愛い系の街よりも重厚な都市が好きなので、ベオグラードとソフィアがなかったら、少し物足りなさを感じていたかもしれません。
オフリドは訪れた 2 日間とも大雨でしたが、湖を見下ろす聖ヨハネ・カネオ教会は雨の夕暮れでも美しく、天候が良ければ一番だった可能性もある と思います。
バルカン地方の魅力は正教会
今回の旅で一番感じたのは、正教会の素晴らしさです。これまで西ヨーロッパの教会しか見たことがありませんでしたが、バルカン地方の正教会は、小さな教会でも本当にどれも魅力的でした。
グラチャニツァ修道院、オフリドの聖ヨハネ・カネオ教会、聖ナウム修道院、ベオグラードの聖サヴァ大聖堂、ソフィアの聖ペトカ教会、リラの修道院と、壁一面のフレスコ画やイコンに囲まれた空間は、どこも独特の雰囲気がありました。正教会は、バルカン地方の魅力の一つだと思います。
都市間の移動
| 区間 | 手段 | 料金・時間の目安 |
|---|---|---|
| プリシュティナ ⇒ スコピエ | バス(1 日 3 本) | 8.50 ユーロ、約 2 時間 |
| スコピエ ⇒ オフリド | バス(1 日 9 本) | 約 3 時間 20 分。別途ホームの入場料 |
| オフリド ⇒ ベラト | 聖ナウム経由・徒歩で国境越え、バスとタクシーの乗り継ぎ | 約 7 時間半、約 8,730 円(おすすめしない) |
| ベラト ⇒ ティラナ ⇒ ティラナ空港 | バス、乗り合いバス | 500 レク + 3 ユーロ |
| ティラナ ⇒ ベオグラード ⇒ ソフィア | エアセルビア(2 区間) | 2 区間合わせて 14,750 円 |
| ソフィア ⇔ プロヴディフ | バス | 片道 17.99 レフ / 9.20 ユーロ |
| ソフィア ⇒ リラの修道院・ボヤナ教会 | Trip.com の日帰りツアー | 3,481 円 + ボヤナ教会 4.20 ユーロ |
セルビア経由のルートにした理由
実は、セルビアはもともと行く予定がありませんでした。北マケドニア、アルバニア、ブルガリアの 3 か国を周遊するには、アルバニアからブルガリアへ飛行機で移動する必要があり、バーリ(イタリア)経由、アテネ(ギリシャ)経由、ベオグラード(セルビア)経由の 3 つを比較しました。
ギリシャにも行ってみたかったのですが、セルビアはこういう時でないと行く機会がなかなかないと思い、ベオグラード経由を選びました。結果的に、乗り継ぎで 1 泊したベオグラードはかなり楽しめました。
日程に入れられなかった街
コソボのプリズレンと、アルバニアのクルヤも日程に含めたかったのですが、時間が足りずに諦めました。日程に余裕がある方は、ぜひ組み込んでみてください。
国境越えはバスと飛行機を使い分ける
コソボ、北マケドニアの間は、国際バスで簡単に移動できました。一方、オフリドからアルバニアのベラトへは、聖ナウム経由で徒歩で国境を越えたところ、交通手段がなくて非常に苦労しました。オフリドからベラトへは、ティラナまたはエルバサン経由のバスで行くのが現実的 です。
アルバニア、セルビア、ブルガリアの間は、エアセルビアの飛行機を使いました。陸路だと時間がかかる区間も、飛行機なら 1 時間ほどで移動でき、乗り継ぎのベオグラードで 1 泊観光することもできます。
通貨・SIM・治安
通貨はユーロがあれば何とかなる
| 国 | 通貨 | ユーロは使えたか |
|---|---|---|
| コソボ | ユーロ | そのまま使える |
| 北マケドニア | デナル | 両替せずユーロで過ごせた |
| アルバニア | レク | 基本的にユーロで払えた(一部はレク) |
| セルビア | ディナール | 現金のみの屋台でもユーロで払えた |
| ブルガリア | ユーロ(2026 年 1 月に導入) | そのまま使える。レフ表示の支払いもあった |
短い滞在なら、ユーロの現金とクレジットカードがあれば、ほとんど両替せずに回れました。
コソボでは SIM に注意
ahamo の海外ローミングや、一般的なヨーロッパ周遊 SIM は、コソボで使えないことが多いです。コソボに行く場合は、事前に対応国を確認しておきましょう。
治安
全体を通して、危険を感じる場面はほとんどありませんでした。ベラトは治安の不安が全くなく、スコピエはバスターミナル周辺だけ少し気になる程度でした。ソフィアも危険は感じませんでしたが、安全かと言われると何とも言えないので、夜は注意した方が良いと思います。
各都市の紹介
プリシュティナ(コソボ)

2008 年に独立を宣言した、ヨーロッパで最も新しい国の一つ、コソボの首都です。正直なところ何もない首都でしたが、人は非常に親切でした。郊外の世界遺産・グラチャニツァ修道院は、小さい分だけ没入感がすごく、異世界のような空間でした。
詳しくは 【プリシュティナ】観光モデルコースまとめ。半日で回る中心部とグラチャニツァ修道院 で紹介しています。
スコピエ(北マケドニア)

街中にモニュメントがあふれる、ヨーロッパのどの都市とも似ていない不思議な街です。主要なスポットは半日で歩いて回れます。朝食付きで 1 泊約 19 ユーロのホテルは超高コスパでした。
詳しくは 【スコピエ】観光モデルコースまとめ。銅像だらけの中心部と旧市街バザール、オフリドへのバス で紹介しています。
オフリド(北マケドニア)

世界遺産のオフリド湖のほとりの街です。湖を見下ろす聖ヨハネ・カネオ教会は、雨の夕暮れでも美しかったです。北マケドニアのワインもとても美味しかったです。
詳しくは 【オフリド】観光モデルコースまとめ。世界遺産オフリド湖と聖ヨハネ・カネオ教会、雨の日の過ごし方 で紹介しています。
オフリドからベラトへの移動

聖ナウム修道院を経由して、徒歩で国境を越えるルートに挑戦しましたが、交通手段がなく、約 7 時間半かかりました。正直おすすめしないルートですが、失敗談と現実的なルートをまとめています。
詳しくは 【オフリドからベラトへ】聖ナウム経由・徒歩で国境越えの移動記録。おすすめしない理由と現実的なルート で紹介しています。
ベラト(アルバニア)

「千の窓の街」と呼ばれる世界遺産の街です。夕暮れに家々の窓に灯りがともる景色は、ここでしか見られません。1 泊 18 ユーロのゲストハウスも、料理のコスパも良く、期待外れ感はまったくありませんでした。
詳しくは 【ベラト】観光モデルコースまとめ。千の窓の街の夕景とベラト城、宿のエリア選び で紹介しています。
ベオグラード(セルビア)

エアセルビアの乗り継ぎで 1 泊しました。北マケドニアやアルバニアの後に訪れると、とにかく都会で洗練されているのを感じます。夜と朝の 2 回訪れたベオグラード要塞と、聖サヴァ大聖堂の内部がおすすめです。
詳しくは 【ベオグラード】乗り継ぎ観光モデルコース。夜と朝のベオグラード要塞・聖サヴァ大聖堂とプリェスカビツァ で紹介しています。
ソフィア(ブルガリア)

全く期待していなかったのですが、街中に遺跡や教会が多く、ひと昔前の映画の中のヨーロッパのようで素晴らしかったです。夜景が本当に綺麗で、プロヴディフやリラの修道院への拠点としても便利です。
詳しくは 【ソフィア】観光モデルコースまとめ。ネフスキー大聖堂の夜景と街中の遺跡、プロヴディフ・リラの修道院の拠点選び で紹介しています。
プロヴディフ(ブルガリア)

古代ローマの劇場や競技場が街の中に残る、ブルガリア第 2 の都市です。ただ、冬は博物館もどこも閑散としていて、時間を持て余しました。ソフィアからの日帰りで十分です。
詳しくは 【プロヴディフ】ソフィアから日帰り観光モデルコース。古代ローマ劇場と旧市街、ネベット・テペの夕景 で紹介しています。
リラの修道院(ブルガリア)

リラ山脈の山奥にある、世界遺産の修道院です。ソフィアから日帰りツアーで行きました。雪の修道院と、回廊を埋め尽くすフレスコ画は見応えがありますが、往復に時間がかかるので、ヨーロッパを一通り観光しきった上級者向けだと思います。
詳しくは 【リラの修道院】ソフィアから日帰りツアーのモデルコース。雪の修道院とボヤナ教会、ブルガリア 2 泊 3 日の回り方 で紹介しています。
気を付けたいこと:行くなら夏などのハイシーズンに
バルカン半島には、ここにしかない魅力があります。ただ、西ヨーロッパの都市をイメージして行くと、だいぶ娯楽が少ないところもあります。
特に冬は、17 時頃には暗くなり、暗くなるとやることがなくなってしまいます。雨や雪の日も多く、オフリドやベラトでは綺麗な景色を見られない時間もありました。プロヴディフのように、施設側も閑散としていて、時間を持て余す街もあります。
ホテルが安いなど冬ならではの良さもありますが、できれば夏などのハイシーズンに行くことをおすすめします。
まとめ
- コソボ、北マケドニア、アルバニア、セルビア、ブルガリアの 5 か国を、7 泊 8 日で周遊できた
- おすすめを 1 つ挙げるならソフィア。オフリドは、天候が良ければ一番だった可能性もある
- 小さな教会でもどれも魅力的な正教会は、バルカン地方の魅力の一つ
- アルバニアからブルガリアへは、バーリ、アテネ、ベオグラードの経由地を比較し、行く機会の少ないセルビアを選んだ
- 都市間の移動は、国際バスとエアセルビアを使い分けると効率的。オフリドからベラトへの徒歩での国境越えはおすすめしない
- 短い滞在なら、ユーロの現金とクレジットカードでほとんど両替せずに回れる
- コソボでは、ahamo や一般的なヨーロッパ周遊 SIM が使えないことがある
- 全体を通して、危険を感じる場面はほとんどなかった
- 西ヨーロッパと比べると娯楽が少なく、冬は暗くなるとやることがなくなる。できれば夏などのハイシーズンに行くのがおすすめ
今回の目的だった、北マケドニアやアルバニアがそれぞれどんな国なのかを知ることができて、良かったです。日本語の情報が少ないバルカン半島ですが、それぞれの国で全く違う雰囲気を味わえる、とても面白い旅でした。バルカン半島を周遊する方は、ぜひ参考にしてみてください。
