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【オフリドからベラトへ】聖ナウム経由・徒歩で国境越えの移動記録。おすすめしない理由と現実的なルート

北マケドニアのオフリドからアルバニアのベラトへ、ティラナやエルバサンを経由する一般的なルートではなく、聖ナウム修道院から徒歩で国境を越え、ポグラデツ、エルバサン、クチョヴァとバスとタクシーを乗り継いだ移動の記録です。参考にした 2017 年の英語の記事との違いも比較しています。オフリド発聖ナウム行きのバスの時刻表、聖ナウムから国境への道が軍事施設で通れなかった失敗談、ポグラデツからベラトへの直通バスがない問題と、おすすめの現実的なルートをまとめています。

今回は、年明けのバルカン半島周遊旅行で、北マケドニアのオフリド(Охрид / Ohrid)から、アルバニアの世界遺産の街ベラト(Berat)まで移動した記録をご紹介します。

途中で通った街の現地語表記は、次のとおりです。

街国現地語表記
オフリド北マケドニアОхрид(Ohrid)
聖ナウム北マケドニアСвети Наум(Sveti Naum)
ポグラデツアルバニアPogradec
エルバサンアルバニアElbasan
クチョヴァアルバニアKuçovë(Kuçova)
ベラトアルバニアBerat
ティラナアルバニアTiranë(Tirana)

オフリドからベラトへ向かう場合、通常はアルバニアの首都ティラナやエルバサンを経由するルートになります。ですが私は、ベラトの後にティラナから移動する予定だったので、ルートを一筆書きにしたかったのと、オフリド湖の南端にある聖ナウム修道院を経由して行けることに魅力を感じて、英語のブログ記事を参考に、聖ナウムから徒歩で国境を越えるルートに挑戦しました。

結論から言うと、このルートはまったくおすすめしません。

聖ナウムからの徒歩の国境越えは、ブログに書かれていたルートが通れず、雨の中、歩行者が誰もいない国道を約 4km 歩くことになりました。さらに、何とかアルバニア側のポグラデツまで着いても、そこからベラトへ行く直通のバスがなく、乗り継ぎのバスも思うようになく、最後はタクシーを使うことになりました。

日本語の情報がほとんどないルートなので、同じルートを考えている方の判断材料になるよう、実際に移動した時刻と、失敗したポイントを詳しくまとめます。

オフリドからベラトへのルート比較

ルート経由地おすすめ度
ティラナ・エルバサン経由(一般的なルート)オフリド ⇒ ティラナまたはエルバサン ⇒ ベラト◎
聖ナウム経由(今回のルート)オフリド ⇒ 聖ナウム ⇒ 徒歩で国境 ⇒ ポグラデツ ⇒ エルバサン ⇒ クチョヴァ ⇒ ベラト×

一般的には、ティラナまたはエルバサンを経由するルートが使われています(所要時間や本数は、事前に最新の情報を確認してください)。

今回のルートは、乗り換えが多く、国境までの徒歩区間もあるので、時間も体力もかかります。聖ナウム修道院にどうしても行きたい場合も、オフリドから日帰りで往復し、一度オフリドに戻ってからアルバニアへ向かう のが現実的だと思います。私の場合も、そうした方が結果的に早かったと思います。

参考にした英語の記事のルートと、実際の違い

私が参考にしたのは、Kathmandu & Beyond の記事(Travel from Lake Ohrid, Macedonia to Berat, Albania) です。2017 年に公開された記事で、このルートで約 6 時間で行けると紹介されていました。

記事のとおりに進もうとしましたが、2026 年 1 月時点では、記事の経路をそのまま使うことはできませんでした。

区間記事(2017 年)実際(2026 年 1 月)
オフリド ⇒ 聖ナウムバス(1 日 6 本・110 デナル)バス(1 日 8 本)。ここは問題なし
聖ナウム ⇒ 国境修道院から小道を約 600m 歩く小道の先は軍事施設で通れず。引き返して国道を約 4km 歩いた
国境 ⇒ ポグラデツ2.3km 歩いて、トゥシェミシュトからフルゴン国境でマケドニア人のおじさんの車に乗せてもらった(降りるときに 20 ユーロ請求された)
ポグラデツ ⇒ エルバサンフルゴンバス
エルバサン ⇒ ベラトティラナ行きのバスで幹線道路の分岐点へ行き、ベラト行きのフルゴンに乗り換えエルバサンからベラトへのバスがなく、クチョヴァ行きのバスに乗り、最後はタクシー
所要時間約 6 時間約 7 時間半

特に、国境までが想定外に遠かったこと と、エルバサンまでは行けたものの、そこからベラトへ行くバスがどこにもなかったこと が誤算でした。10 年近く前の情報なので、道路や交通事情が変わっていても不思議ではありません。海外のブログを参考にする場合は、記事の日付に注意してください。

実際に移動した時刻(2026 年 1 月)

時刻移動
8:30オフリド ⇒ 聖ナウム(PUPE 社のバス)
9:04〜9:57聖ナウム修道院を見学
10:00聖ナウムから国境へ徒歩。軍事施設で通れず、1km ほど引き返す
10:05〜10:30雨の中、国道を約 4km 歩いて国境へ
10:30徒歩で国境を越える。マケドニア人のおじさんの車でポグラデツへ
10:43アルバニアのポグラデツ着。カフェで休憩
11:19ポグラデツ ⇒ エルバサン(バス)
13:38エルバサン着
14:05エルバサン ⇒ クチョヴァ(バス)
15:16クチョヴァ着
15:34クチョヴァ ⇒ ベラト(バスがなくタクシー)
16:06ベラト着

朝 8:30 にオフリドを出て、ベラトに着いたのは 16:06。聖ナウム修道院の見学を含めて、約 7 時間半 かかりました。かかった交通費などは合計 約 8,730 円 で、支払いは基本的にユーロで済ませました(一部はレクで支払い)。

8:30 オフリド(Охрид)から聖ナウム(Свети Наум)行きのバス

オフリドの街中のバス停から、聖ナウム行きのバスに乗りました。

オフリドの聖ナウム行きのバス停

バス停には、PUPE 社の時刻表が貼られていました。

オフリド発聖ナウム行きの PUPE 社のバスの時刻表

オフリド発 聖ナウム行き(2026 年 1 月時点)
5:30・6:30・8:30・11:30・13:30・15:30・18:30・20:30

聖ナウムまでは、湖の東岸を南へ約 30km、バスで 30 分ほどです。料金は 2 ユーロ(約 360 円) でした。

オフリドの観光については、オフリド編 で紹介しています。

9:04 聖ナウム修道院(Манастир Свети Наум)

聖ナウム修道院の近くの泉

聖ナウム修道院は、オフリド湖の南端、アルバニアとの国境のすぐ手前にある修道院です。教会の入場料は 1.5 ユーロ(約 270 円) でした。修道院の周りには、オフリド湖に流れ込む泉が湧いています。

雨の聖ナウム修道院

聖ナウム修道院は、10 世紀の初めに、聖クリメントとともにスラヴの人々に文字と教えを広めた聖ナウムが建てた修道院です。

聖ナウム修道院の内部のイコノスタシスとフレスコ画

内部には、古いフレスコ画と、豪華なイコノスタシスが残っています。修道院の中の写真は、許可をもらって撮影しています。聖ナウムの墓に耳を当てると、今も心臓の鼓動が聞こえるという言い伝えがあるそうです。

そして聖ナウム修道院には、なんとクジャクがいます。敷地の中で放し飼いにされていて、雨の中でも普通に歩き回っていました。

聖ナウム修道院の敷地を歩くクジャク

聖ナウム修道院の泉に浮かぶボート

晴れていれば、泉の上をボートで巡ることもできるようです。この日も雨で、湖はどんよりしていました。

聖ナウム修道院の入口の門

10:00 国境へ徒歩。ショートカットのつもりが軍事施設で通れず

ここからが、今回の移動の一番の失敗です。

参考にした英語のブログ記事では、聖ナウム修道院から小道を 600m ほど歩けば国境に着くように書かれていて、修道院の敷地をさらに奥へ進めば、国境側へショートカットできる想定でした。ところが、実際に進んでみると、その先は軍事施設で、通り抜けることができませんでした。

聖ナウムの奥の軍事施設の入口の遮断機

結局、1km ほど引き返して、国境へ向かう国道を歩くことになりました。

10:05 雨の中、国道を約 4km 歩いて国境へ

国道は、山の斜面をくねくねと進む道で、国境までは約 4km あります。

聖ナウムから国境へ向かう雨の国道

歩道はほとんどなく、歩行者は私以外に誰もいません。雨の中、車が通るたびに道の端に寄りながら歩きました。

もしここで何か事件や事故が起きても、誰も気づかないような道です。徒歩での国境越えは、まったく推奨しません。

国道の先に見えてきた北マケドニアとアルバニアの国境

ようやく、道の先に国境の検問所が見えてきました。

10:30 徒歩で国境を越える

国境では、北マケドニア側で出国、アルバニア側で入国の手続きをしました。徒歩でも、特に何のトラブルもなく、すんなり通過できました。

国境を越えたところで、車で通りかかったマケドニア人のおじさんが「乗せてあげるよ」と声をかけてくれたので、ありがたく乗せてもらい、ポグラデツのバスターミナルまで送ってもらいました。

ヒッチハイクで 20 ユーロ払うことに

ところが、バスターミナルで車を降りるときに、お金を要求されました。

ポグラデツへ行く途中だったようなので、普通に乗せてくれたものだと思い、払うつもりはなかったのですが、小さい紙幣を持っていなかったこともあり、20 ユーロ(約 3,600 円) を渡してしまいました。

国境からバスターミナルまでの距離を考えると、本来 20 ユーロもするはずがありません。冷静に考えれば、10 ユーロでも十分だったと思います。ただ、雨の中を歩いてきた後で心細すぎて、当時は 20 ユーロでも違和感がなく渡してしまいました。

車に乗せてもらうときは、乗る前に料金を確認しておくこと、そして小さい額のユーロ紙幣や硬貨を用意しておくこと を強くおすすめします。

10:43 アルバニアのポグラデツ(Pogradec)に到着

アルバニアのポグラデツの街並みとミニバス

ポグラデツは、オフリド湖のアルバニア側にある湖畔の街です。オフリド湖は北マケドニアとアルバニアにまたがっていて、2019 年には、アルバニア側の湖畔も世界遺産に加えられています。

ずっと雨の中を歩いてきたので、まずはカフェで一休みしました。

ポグラデツのカフェのマキアート

マキアートは 80 レク(約 1 ユーロ)でした。アルバニアの通貨はレクですが、ユーロもそのまま使えました。アルバニアは、イタリアの影響でコーヒー文化が根付いていて、どこのカフェでも本格的なエスプレッソが飲めます。

11:19 ポグラデツからベラトへの直通バスがない

ここで、2 つ目の問題に直面しました。ポグラデツからベラトへ行く直通のバスがない のです。

ポグラデツのバスターミナル

結局、ティラナ方面へ向かう途中のエルバサンまでバスで行き、そこから乗り継ぐことにしました。料金は 7 ユーロ(約 1,260 円) です。

ポグラデツからエルバサンへ向かうバスの車窓から見たオフリド湖

バスの車窓からは、アルバニア側から見たオフリド湖が見えました。

13:38 エルバサン(Elbasan)に到着

エルバサンのアルバニア国旗が描かれた壁

エルバサンは、アルバニア中部の工業都市です。旧市街には、オスマン帝国の時代に築かれた城壁が残っています。

エルバサンのバス乗り場

アルバニアのバスやフルゴンは、日本のような分かりやすい時刻表や案内が少ないので、運転手や地元の人に行き先を伝えて確認するしかありません。ただ、このルートで出会った人は、基本的に英語が話せませんでした。行き先の街の名前を現地語表記で見せられるように、スマホにメモしておくと安心です。

14:05 エルバサンからクチョヴァ(Kuçovë)へ

エルバサンまでは来られましたが、ここで 3 つ目の問題です。エルバサンからベラトへ行くバスが、どこにもありませんでした。

仕方なく、ベラトの手前の街、クチョヴァ行きのバスに乗りました。料金は 400 レク(約 720 円) です。

15:16 クチョヴァからベラトへはタクシー

クチョヴァ行きの赤いフルゴン(乗り合いバン)

クチョヴァに着きましたが、ここからベラトへ行くバスがありませんでした。地元の人に聞くと、みんな「フルゴンがあるよ」と教えてくれたのですが、結局、遅い時間だったからか、フルゴンは来ませんでした。

最後は、数少ないタクシーに何とか拾ってもらい、タクシーでベラトへ 向かいました。最初は 15 ユーロと言われましたが、交渉して 13 ユーロ(約 2,340 円) にまけてもらいました。

写真の赤いバンは、アルバニアでよく見かける「フルゴン」という乗り合いのミニバンです。決まった時刻表はなく、人が集まったら出発するスタイルなので、夕方以降は便がなくなってしまうこともあります。

クチョヴァの街並みと工場の煙突

クチョヴァの赤い星のモニュメント

クチョヴァは、石油の採掘で発展した街で、社会主義時代には「スターリン市」と呼ばれていたそうです。赤い星のモニュメントや工場の煙突に、当時の名残を感じます。

16:06 ベラト(Berat)に到着

ようやく到着したベラトの街並み

朝 8:30 にオフリドを出発して、ようやく 16:06 にベラトに到着しました。最後は、雨も上がっていました。

ベラトの観光については、ベラト編 で紹介しています。

かかった費用

項目費用
バス(オフリド ⇒ 聖ナウム)2 ユーロ(約 360 円)
聖ナウム修道院の教会 入場料1.5 ユーロ(約 270 円)
ヒッチハイク(国境 ⇒ ポグラデツのバスターミナル)20 ユーロ(約 3,600 円)
マキアート1 ユーロ(約 180 円)
バス(ポグラデツ ⇒ エルバサン)7 ユーロ(約 1,260 円)
バス(エルバサン ⇒ クチョヴァ)400 レク(約 720 円)
タクシー(クチョヴァ ⇒ ベラト)13 ユーロ(約 2,340 円)
合計約 8,730 円

※1 ユーロ=180 円、1 レク=1.8 円で計算しています。ヒッチハイクの 20 ユーロは、本来は 10 ユーロでも十分だったと思います。

まとめ:このルートはおすすめしない

今回は、北マケドニアのオフリドから、聖ナウム修道院を経由して、アルバニアのベラトまで移動した記録をご紹介しました。

このルートのポイントをまとめると、以下のとおりです。

  • オフリドからベラトへは、ティラナまたはエルバサン経由が一般的。今回の聖ナウム経由のルートは、おすすめしない
  • 聖ナウム修道院は、フレスコ画が見事で、敷地にはクジャクもいる素敵な場所。行くならオフリドから日帰りで
  • 聖ナウムの敷地の奥から国境へショートカットする道は、軍事施設で通れなかった
  • 聖ナウムから国境までは、歩行者のいない国道を約 4km 歩く必要があり、危険
  • 国境の手続きはトラブルなし。ただし国境からポグラデツまでの交通手段がなく、車に乗せてもらったら降りるときに 20 ユーロ請求された。乗る前に料金を確認し、小さい紙幣を用意しておく
  • ポグラデツからベラトへの直通バスはなく、エルバサン、クチョヴァとバスを乗り継ぎ、クチョヴァからはタクシーで、約 7 時間半かかった
  • 参考にした 2017 年の英語の記事の経路は、2026 年 1 月時点ではそのまま使えなかった
  • 道中で出会った人は、基本的に英語が話せない。行き先は現地語表記で見せられるようにしておく
  • クチョヴァでは「フルゴンがある」と言われたが、遅い時間で来ず、数少ないタクシーに拾ってもらった
  • 支払いは基本的にユーロで済んだ。交通費などの合計は約 8,730 円

聖ナウム修道院自体は素敵な場所なので、行きたい方は、オフリドから日帰りで往復し、一度オフリドに戻ってからアルバニアへ向かうのがおすすめです。参考にした英語のブログ記事には、ここまで大変だとは書かれていなかったので、同じルートを考えている方の参考になれば嬉しいです。

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