今回は、年明けのバルカン半島周遊旅行で訪れた、北マケドニアの首都スコピエをご紹介します。コソボのプリシュティナからバスで入り、翌朝にはオフリドへ向かう 1 泊の滞在でした。
正直な感想は、期待どおりのところは期待どおりで、期待外れのところもあった、という感じです。
街中にモニュメントがあふれていて、ヨーロッパのどの都市とも似ていない不思議な雰囲気は、期待どおりでした。一方で、冬のオフシーズンは観光地らしさがだいぶ少なく、17 時頃には暗くなって、20 時を過ぎるとあまりやることがなくなってしまいます。
この記事では、実際に回ったルートと、プリシュティナからのバスや、オフリド行きのバスの時刻表・料金など、日本語の情報が少ない移動の情報をまとめています。
ちなみにスコピエは、1963 年の大地震で街の大部分が崩壊しました。その復興計画を手がけたのが、日本の建築家・丹下健三です。遠い北マケドニアの首都が、実は日本とつながっているのは意外ですよね。
スコピエ観光の旅程(モデルコース)
1 日目(プリシュティナからバスで到着)
| 時刻 | 場所 |
|---|---|
| 13:25 | スコピエのバスターミナル着 |
| 13:30 | ヴァルダル川沿いを歩いてホテルへ |
| 14:10 | Hotel Ambassador にチェックイン |
| 14:40 | パン屋でブレク |
| 14:50 | 聖クリメント大聖堂 |
| 15:00 | マケドニア広場 |
| 15:30 | マザー・テレサ記念館 |
| 15:55 | フィリップ 2 世像 |
| 16:00 | 旧市街バザール |
| 16:10 | スコピエ要塞で夕景 |
| 16:55 | ムスタファ・パシャ・モスク |
| 17:05 | ビット・パザル |
| 17:35 | マケドニア門 |
| 17:55 | ライトアップされたヴァルダル川沿い |
| 18:40 | Čardak で夕食 |
| 19:00 | バクラヴァ屋 |
| 20:00 | ホテルへ |
2 日目(オフリドへ)
| 時刻 | 場所 |
|---|---|
| 7:00 | ホテルで朝食 |
| 7:25 | 朝のマケドニア広場 |
| 7:40 | バスターミナルで切符を購入 |
| 8:00 | GALEB のバスでオフリドへ |
旅行全体の日程
| 日付 | 旅程 | 泊 |
|---|---|---|
| 1/4 | 日本 ⇓(イスタンブール経由) 20:15 プリシュティナ | プリシュティナ泊 |
| 1/5 | 11:30 プリシュティナ ⇓(バス) 13:25 スコピエ スコピエ観光 | スコピエ泊 |
| 1/6 | 8:00 スコピエ ⇓(バス) オフリド | オフリド泊 |
料金は 1 ユーロ=180 円、1 デナル=2.9 円で計算しています。
プリシュティナからスコピエへのバス
プリシュティナからスコピエへは、バスで約 2 時間でした。料金は 8.50 ユーロ(約 1,530 円) です。
プリシュティナ発のスコピエ行きは、2026 年 1 月時点で 6:30・7:25・11:30 の 1 日 3 本です。バスの乗り方や、出発前にグラチャニツァ修道院へ寄る効率的な回り方は、プリシュティナ編 で紹介しています。
13:25 スコピエのバスターミナルに到着
13:25 頃、スコピエのバスターミナルに到着しました。
通貨はデナルだが、ユーロも使えた
北マケドニアの通貨はデナルですが、私は デナルに両替せず、ユーロで過ごせました。1 泊程度の短い滞在なら、ユーロを持っていれば何とかなると思います。
バスターミナル周辺は少しだけ注意
バスターミナルの近くだけは、少しだけ治安が悪いかもしれないと感じました。ただ、それ以外のエリアは、昼も夜も特に危険を感じることはありませんでした。
13:30 ヴァルダル川沿いを歩いてホテルへ
バスターミナルからホテルまでは、ヴァルダル川沿いを歩いて向かいました。大きな荷物でなければ、十分歩ける距離 です。

川沿いを歩き始めるとすぐに、スコピエらしい景色が広がります。


橋の欄干には銅像がずらりと並び、川沿いには古代ギリシャの神殿のような建物が立ち並んでいます。
これらの多くは、2010 年代に進められた「スコピエ 2014」という都市計画で造られたものです。わずか数年で数百もの銅像や新古典主義風の建物が建てられ、莫大な費用がかかったことから、国内では批判も多かったそうです。

スコピエのシンボルの石橋は、15 世紀のオスマン帝国の時代に架けられた橋で、こちらは本物の歴史的建造物です。

石橋を渡った先が、街の中心のマケドニア広場です。

石橋のたもとには、聖キュリロスと聖メトディオスの像があります。2 人はスラヴ語を書き表すための文字を作った兄弟で、今ロシアなどで使われている「キリル文字」は、キュリロスの名前に由来しています。

14:10 Hotel Ambassador にチェックイン

宿泊したのは、Hotel Ambassador です。朝食付きで 1 泊 1 人 19.13 ユーロ(約 3,440 円) でした。

立地も部屋も良く、この値段で朝食付きなので、超高コスパ だと思います。中心部のマケドニア広場や川沿いにも歩いて行けます。
14:40 パン屋でブレク
チェックインを済ませて、近くのパン屋さんで軽く腹ごしらえをしました。


ブレクは、薄いパイ生地にチーズやひき肉などを包んで焼いた、バルカン半島の定番の軽食です。オスマン帝国の時代に広まった料理で、朝食やおやつとして気軽に食べられています。
14:50 聖クリメント大聖堂

マケドニア正教会の大聖堂で、いくつものドームが連なる独特な外観です。

内部は、壁一面のイコンとフレスコ画で彩られていて、とても見ごたえがありました。
大聖堂の名前になっている聖クリメントは、キュリロスとメトディオスの弟子で、翌日に向かうオフリドを拠点に、スラヴの人々に文字と教えを広めた聖人です。
15:00 マケドニア広場
スコピエの中心にあるのが、マケドニア広場です。

広場の中央には、巨大な「馬に乗った戦士」の像が立っています。台座を含めると 20m を超える大きさで、とにかく迫力があります。
この像は、誰がどう見てもアレクサンドロス大王なのですが、公式の名前はあくまで「馬に乗った戦士」です。アレクサンドロス大王の故郷マケドニアの名前をめぐって、隣国のギリシャと長く対立していたため、名前を付けられなかったと言われています。この対立は 2019 年に国名を「北マケドニア」に変えることで決着しました。

広場には野良犬がいて、人懐っこく近寄ってくる犬もいました。

15:30 マザー・テレサ記念館
マケドニア広場から少し東へ歩くと、マザー・テレサ記念館があります。

マザー・テレサは、1910 年にスコピエで生まれました。記念館は、彼女が洗礼を受けた教会の跡地に建てられていて、ゆかりの品々が展示されています。


前日に訪れたプリシュティナにも、マザー・テレサ大聖堂やマザー・テレサ通りがありました。アルバニア系の彼女は、北マケドニアとコソボの両方で大切にされている存在です。
展示はそれほど多くないので、正直なところ、マザー・テレサに興味があれば、という感じの場所でした。
スコピエは実は博物館が多い
私が訪れた日は、たまたま多くの博物館が休みの日でしたが、スコピエには実はかなり多くの博物館があります。
- 考古学博物館:ヴァルダル川沿いの、神殿のような建物の博物館
- マケドニア闘争博物館:オスマン帝国からの独立をめざした戦いの歴史を、等身大の人形などで紹介する博物館
- スコピエ市立博物館:1963 年の大地震で崩れた旧鉄道駅舎を利用した博物館。地震が起きた 5 時 17 分で止まったままの時計が残っています
- ホロコースト記念センター:第二次世界大戦で犠牲になった、マケドニアのユダヤ人の歴史を伝える施設
- 現代美術館:大地震の後、世界中の芸術家から寄贈された作品をもとに作られた美術館
博物館は月曜日などに休みのことが多いので、博物館を目当てにする方は、事前に開館日を確認しておく のがおすすめです。
15:55 フィリップ 2 世像
石橋を渡った対岸には、もう一つの巨大な像があります。

こちらは、アレクサンドロス大王の父フィリップ 2 世の像です。マケドニア広場の「馬に乗った戦士」と、川を挟んで向かい合うように立っています。
16:00 旧市街バザール
フィリップ 2 世像の奥に広がるのが、旧市街のバザール(チャルシヤ)です。


石畳の道の両側にお店が並び、新しい銅像だらけの川の向こう側とは、まったく違う雰囲気です。オスマン帝国の時代から続くバザールで、イスタンブールを除くとバルカン半島で最大級の市場と言われています。
16:10 スコピエ要塞で夕景
バザールのすぐ隣の丘の上にある、スコピエ要塞(カレ)に登りました。

ちょうど日が沈む時間で、要塞の上からはスコピエの街と山並みを一望できました。

スコピエ要塞は、6 世紀の東ローマ帝国の時代に築かれたと言われる要塞で、街で一番高い場所にあります。
要塞には、野良猫もたくさんいました。

16:55 ムスタファ・パシャ・モスク
要塞を下りると、すっかり暗くなっていました。

ムスタファ・パシャ・モスクは 1492 年に建てられた、スコピエで最も美しいと言われるモスクです。

北マケドニアは、マケドニア正教を信仰するマケドニア人と、イスラム教徒の多いアルバニア人が共に暮らす国です。川の南側には大聖堂、北側の旧市街にはモスクと、街を歩いているだけで、文化の境目を感じられます。
17:05 ビット・パザル
旧市街のさらに奥にある、地元の人向けの市場です。

夕方だったので、ほとんどのお店は閉まっていましたが、市場の中にも猫がいました。

17:35 マケドニア門

マケドニア広場の近くにある、パリの凱旋門のような門です。こちらも「スコピエ 2014」で造られたもので、独立 20 周年を記念して 2012 年に完成しました。
17:55 ライトアップされたヴァルダル川沿い
日が暮れると、川沿いの建物や銅像がライトアップされます。


18:40 Čardak で夕食
夕食は、旧市街バザールの Čardak というお店で食べました。


料理の名前は分からなくなってしまいましたが、煮込み料理とパンをいただきました。
19:00 バクラヴァ屋
食後は、旧市街のバクラヴァ屋さんに寄りました。

バクラヴァは、薄いパイ生地にナッツを挟んで焼き、シロップをたっぷりかけたお菓子です。バザールと同じく、オスマン帝国の時代の名残を感じられます。
19:15 夜のヴァルダル川とマケドニア広場


冬は 20 時を過ぎるとやることがない
正直、冬のオフシーズンのスコピエは、観光地らしさがだいぶ少なかったです。17 時頃には暗くなり、20 時を過ぎるとあまりやることがなくなってしまいます。
西ヨーロッパの観光地のように、街全体をライトアップして盛り上げているという感じでもないので、私はかなり早めにホテルに撤収しました。
20:00 ホテルでビール
ホテルに戻って、地元のビール「スコプスコ」を飲みました。

これが結構美味しかったです。スコプスコは、スコピエの醸造所で 100 年近く造られている、北マケドニアで最も有名なビールです。
2 日目 7:00 ホテルで朝食

朝食付きでこの値段なのは、本当にありがたいです。
7:25 朝のマケドニア広場
この日は朝から雨でした。

7:40 バスターミナルでオフリド行きの切符を購入

バスターミナルの窓口で、オフリド行きの切符を購入しました。
スコピエ発オフリド行きのバスの時刻表(2026 年 1 月時点)
バスターミナルでもらった時刻表のカードです。

| バス会社 | 出発時刻 | 片道 | 往復 |
|---|---|---|---|
| GALEB | 8:00 | 890 デナル | 1,240 デナル |
| GALEB | 10:00 | 890 デナル | 1,240 デナル |
| KLASIK | 11:00 | 850 デナル | 1,200 デナル |
| KLASIK | 12:30 | 850 デナル | 1,200 デナル |
| GALEB | 16:30 | 890 デナル | 1,240 デナル |
| GALEB | 18:30 | 890 デナル | 1,240 デナル |
| KLASIK | 19:30 | 850 デナル | 1,200 デナル |
| KLASIK | 20:00 | 850 デナル | 1,200 デナル |
| MARTINOSKI | 22:30 | 880 デナル | 1,180 デナル |
運賃とは別に「ホームの入場料」がかかる
私は 8:00 発の GALEB の便に乗りました。切符の金額は 890 デナル(約 2,580 円) でしたが、よく見ると、運賃 860 デナルと、ホームに入るための料金(ペロンスキ・ビレット)30 デナル が合わさった金額でした。

バルカン半島のバスターミナルでは、このようにホームへの入場料が別にかかることがあります。窓口で買えば切符と一緒に発行されるので、窓口で買うのが安心です。

オフリドの観光は、オフリド編 で紹介しています。
かかった費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| バス(プリシュティナ ⇒ スコピエ) | 8.50 ユーロ(約 1,530 円) |
| ホテル(Hotel Ambassador・朝食付き・1 人分) | 19.13 ユーロ(約 3,440 円) |
| バス(スコピエ ⇒ オフリド・ホーム入場料込み) | 890 デナル(約 2,580 円) |
| 合計 | 約 7,550 円 |
※食事代、ビール代は含みません。
まとめ
今回は、北マケドニアの首都スコピエの 1 泊観光モデルコースをご紹介しました。
スコピエ観光のポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 街中にモニュメントがあふれ、ヨーロッパのどの都市とも似ていない不思議な雰囲気が味わえる
- 主要なスポットは、ヴァルダル川を挟んだコンパクトなエリアにまとまっていて、半日あれば歩いて回れる
- 実は博物館が多い街。休館日が多いので、目当ての博物館は事前に開館日を確認する
- デナルに両替しなくても、ユーロで過ごせた
- Hotel Ambassador は朝食付きで 1 泊約 19 ユーロ。立地も部屋も良く、超高コスパ
- オフリド行きのバスは 1 日 9 本。運賃とは別にホームの入場料がかかる
- 冬は 17 時頃に暗くなり、20 時を過ぎるとやることがない。バスターミナル周辺以外は治安の不安はなかった
期待どおりだったのは、街中の銅像や建物が作り出す、ほかでは見たことのない景色です。一方で、冬のオフシーズンは観光地らしさが少なく、夜は早めにホテルに戻ることになりました。夏のシーズンに訪れると、また違った印象になるのかもしれません。
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